地方自治経営学会その2 片山善博前総務大臣の憂鬱@震災当時
地方分権(地域主権と言っておられましたが)を推し進めるために
総務大臣の職を受けた片山先生でありますが、
先生を登用した「政権中枢は改革に熱心ではなかった」
と、先ずおっしゃられました。
私自身先生の書籍を読み、
尾崎行雄記念財団や鳥取大学での講義を聴講させて頂き、
「知の地域づくりと図書館の役割」という講演のDVDも何度も見たりで、
ちょっとした片山ファンでありましたから、
先生が総務大臣という職に着かれた時、
「良い方向に自治法が改正されるのではないかという期待」もあり、
「・・・民主党・・・(-゛-メ)」と思いつつも喜びがありました。
さて、今回の震災においての政府の対応について、
このように言っておられました。
3.11以来、増税なくして復興なしというのが政府の対応だった。
復興を遅らせたのは野田さん(当時財務大臣)である。
内閣の一員として、忸怩たる思いであった。
どのような経過をたどったのか。
鳥取県西部地震の経験から、
4月の時点で次のように内閣に進言した。
広い地域がいっぺんに被災、津々浦々で状況が違う。
多様な被災は自治体がやらなくては駄目だ。
それなのに復興構想会議に財務省がしゃしゃり出てきて、
復興計画に増税を書かせようとした。
結局、自治体がやらなくては駄目だという結論。
2ヶ月かかってこれ。
どういう復興にするのかは、そこの自治体が考えるのが一番相応しい。
財源は国が手当。
これだけみるので、これで(金額)やってくれと自治体に言うべき。
国費はこれだけ出すという方針を言ってやるべきなのに、
それが出来なかった。
災害弔慰金、仮設、避難所等、従来ルールで対応したのが1次補正。
高台移転等、ルールを変えなくてはならない2次補正なのに、
野田さんが財源のめどが立たないのにダメだといい、
内閣はそれに従った。
政府は治療費のない患者を診ない救急病院なのか!
そう言ったが、同調してくれた大臣はは一人だけだった。
2次補正は中身のない予備費8000億円だけ。
全く補正になっていない。
先に増税ありきというのは、官僚はそれでいいが、
政治がそれではいけない。
増税が出来るまで補正ができないのでは意味が無いのに、
政府はそれに乗った。
(ここでもう一度先ほどの片山先生の言葉を記します)
3.11以来、増税なくして復興なしというのが政府の対応だった。
復興を遅らせたのは野田さん(当時財務大臣)である。
内閣の一員として、忸怩たる思いであった。
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以下は鳥取県知事時代に取り組んできた防災対策と、
忸怩たる思いで孤軍奮闘した震災対応についてです。
通信の途絶、自治体の機能が全くなくなった。
役所そのものがなくなる。市町村には連絡が取れない。
首長が亡くなってしまう。
災害対策基本法が想定していないことがおこっている。
役場がなくなり災害時、議会はどうするのだという問題もある。
菅総理の対応の悪さは否めないが、
政府の責任でないものもある。
自治体それぞれが、災害対応が出来るだけの体制がとれているだろうか。
(防災対策を選挙公約にして当選したため)
鳥取県の防災対策の見直しを行ったところ、
防災対策だけを考える人がいなかった。(兼務)
知事に代わり防災対策を四六時中考える人を作り、
防災計画の見直しを行ったところ、
防災計画が何の役にも立たないことが分かった。
例えば知事は自衛隊に出動要請をすると書いてあったが、
自衛隊のどこの誰に電話すればよいか誰も分からなかった。
結局どこへ電話しても良いことがわかったが、
電話番号と責任者の名前を書いておくことにし、
これが鳥取県西部地震の時に役立った。
また災害時に避難所を作るのは市町村、
避難所に食料を届けるのは県の仕事。
計画を見たら米を届けることになっていた。
水は止まり電気ガスも来ないところへ精米を送ってどうするんだ。
ネズミじゃあるまいし。
そこで全県域の弁当業者と予め協定を結び、
被災地に優先的に供給できるようにした。
これも実際に役立った。
普段から集まって、防災対策を議論していた。
*あなたの自治体はどうか?我下田市はどうか?・・・
防災訓練も本番のようにやらなくては意味が無い。
どういう想定でやるのかを知らせないで訓練を行った。
政府の訓練も形骸化しており、台本を読み合うだけ。
初動体制はどうなのだということをやらなければいけない。
防災担当大臣と環境大臣が兼務では片手間になってしまう。
ヒマでいいから、いつもいつも専任で防災のことだけは考えなくてはいけない。
平時においていつも非常時のことを考えなくてはいけない。
非常時の指揮は戦時の指揮と同じである。
組織のマネジメントにおいて大将が動いてはいけない。(菅総理のこと)
ガソリンが無いというがどうなのかと聞いても、
届けているから大丈夫だという。本当は足りてないのに。
経産省は原発、計画停電で手一杯だったはずなので、
自分の省庁ではないがでしゃばった。
経産省のトップから話をさせ石油業界に全部手配をさせた。
そしてコンビニも開けてくれるよう
業界のトップにお願いし開いてもらった。
非常時は縦割りが機能する。
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大体こんなお話をされたと思います。
表現が適切じゃなかったらゴメンナサイです。
文責は田坂です。
地方自治体の防災対策、もっと真剣にやらなくてはなりません。
この震災後の6月定例会では、
たくさんの議員さんが防災対策について
一般質問をしました。
しかし9月議会で上程された予算には、
全く防災対策予算が計上されていませんでした。
ヒマでいいから、いつもいつも専任で防災のことだけは考えなくてはいけない。
平時においていつも非常時のことを考えなくてはいけない。
片山先生の言われたこと真実です。
人と予算、財政力のない弱小自治体は、
たいがい超高齢化しています。
その1でUPした大槌町の総務課長さんのお話。
大変参考になりました。
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コメント
とても参考になりました。僕が官邸に危機のことばかり考えている人が必要とのことで、自民党の危機管理の提言の中に、官房副長官クラスの危機管理の専門家を置くべきとし、それが橋本内閣の時に、危機管理監となったのです。
投稿: たむたむ | 2011年11月 1日 (火) 05時57分
先生、恐縮です。
私のブログにコメントしてくださるなんて・・・
先生のブログが情報源&学びなので、
いつも読ませて頂いております。
今後も宜しくご指導くださいますよう、
お願い申し上げます。m(_ _)m
投稿: tomiyo | 2011年11月 1日 (火) 06時36分